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DNA鑑定と裁判所

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DNA鑑定と裁判所

弊社は静岡地方裁判所の各支部からDNA鑑定の嘱託をいただいている関係で、裁判所にはよくお伺いさせていただいております。
どういった用件でご依頼をいただくかと言うと、それは圧倒的に「家事事件」。その中でも親子関係の存否に関することなんです。

今回はあまり知られていない、裁判所とDNA鑑定の関係についてお話しさせていただきます。

そもそも家事事件って何?

裁判所の業務は皆様あまり馴染みのない世界だと思いますのでまずは基本知識から。
裁判所の扱っている事件は大きく分けて「民事事件」「刑事事件」「家事事件」「少年事件」の4つに分けられます。
なお、「事件」というと「殺人事件」「強盗事件」「収賄事件」といった物騒なものを思い浮かべる方が多いと思いますが、この場合は「それぞれの手続き」「案件」といった意味で、犯罪性の有無は関係ありませんのでご注意ください。

この中で、DNA鑑定がよく使われる「家事事件」なんですが、この「家事事件」、「家」という言葉が入っていることからもお分かりのように、家庭内のトラブル全般について扱います。

この家庭内のトラブルでよくあるのが「相続の遺産分割」。
亡くなった父親の晩年はほとんど自分が世話をしていたのに相続は兄弟全て平等。こんなの不公平だ!ということで訴えを起こす人もいます。
逆に、自分の世話をしてくれた子供に多くの財産を残すように書いた遺書が気に入らず、兄弟は全て同じ割合で相続するべきだと、親とはずっと疎遠だった相続人の兄弟の一人が訴えたりすることもあります。

そして、この遺産分割と双璧をなすトラブルが「離婚」に関することです。
不倫が原因で夫婦に大きな溝が入り、これ以上生活を共にする事が女性にとっては難しい。だから離婚したいのに、なかなか男性側が離婚に同意してくれない。
何とか離婚を男性が受け入れてくれたとしても、慰謝料が自分の希望額に到底及ばない。

これらは一例ですが、このようなあなたも耳にしたことがあるような身近な離婚トラブルも家事事件の対象です。

家庭裁判所の特徴

裁判所は事件によって管轄が異なり、この家事事件を扱うのは家庭裁判所となっています。
裁判所、という名前ですので行われているのは裁判ばかり、と思いがちですが、家庭裁判所では「調停」と「審判」という裁判以外の手続きが行われています。

分かりやすく言うと調停は「話し合い」、審判は「判決」のことです。

調停は当事者の合意を持って紛争解決を図る手段です。
家庭裁判所内に当事者間が話し合いの場を持ち、ここで合意に至ると「調停調書」が作成されます。
この調停調書は効力を持ち、当事者はこの調書の内容に従わなければなりません。
話し合いが不調に終われば調書も作成されません。

これに対し家事審判は、裁判官により強制的に決められてしまうことです。
話し合いで合意に至らなくても、裁判官が最終的な判断をします。

裁判は原則公開で行いますが、調停や審判は非公開で行われます。ここが裁判との大きな違い。
家事事件は家庭内のプライベートな事柄を扱うことが多いですから、他人に見られたくないんですね。

そして弊社のDNA鑑定は、家庭裁判所の調停の中でも「摘出否認調停」「親子関係不存在確認調停」でよく使われています。

「摘出否認調停」「親子関係不存在確認調停」

「摘出否認調停」とは、前夫との間に出来た子供であるとの推定を否認するためにおこなわれます。
「親子関係不存在確認調停」も目的は「摘出否認調停」と同じく、前夫との間の子供であることを否定するために行いますが、長期の出張や別居などで前夫の子を妊娠する可能性が無いことが客観的に見て明らかである場合に申し立てることが出来ます。

民法では、
・妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定し
・婚姻成立の日から200日を経過した後又は離婚後300日以内に出生した子については、婚姻中に懐胎したものと推定する
と定められています。
そのため、離婚後300日以内に生まれた子供は、民法上、元夫の子供として戸籍に入ってしまうんですね。

この推定を崩し、前夫の子供ではないことを認めてもらうためにDNA鑑定を行う必要があるんです。

DNA鑑定は身近な存在なんです

テレビドラマでは殺人犯や被害者の特定に使われるDNA鑑定ですが、上記のように、もっと身近な調停の場で、頼りになる存在として用いられています。

真の親子関係が解明されてしまうことを苦々しく思う方もいるでしょう。
しかしそれ以上の人々がDNA鑑定によってより良い人生を迎えることが出来ることを願いながら、私たちは日々業務を続けています。

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